「探るも何も鶫は記憶がない…」
「だからこそじゃ。記憶がないから、探るんじゃ。けんど、鶫のことを調べても何も出てこんから、尚更じゃ。」
「……!」
そうか。
記憶がないのならば、探ろうとするのは当たり前。
俺は冷静を失って、そんな事も考えれなかった。
「大丈夫じゃき。宇目の店主はもう京にはいない。まだ、京に残っている剪の親父は信用できるしのぅ。」
「何故そのような事をお前が知っているのだ?」
「今さっき、その店はどこにあるかと聞かれたからのぅ。あの店をしっちょるもんはわしらのような藩士と、鶫だけじゃからじゃ。」
そうか、剪は俺ら長州藩士と土佐藩士だけのような刀屋だ。
前、あの店で見かけた鶫と新選組の隊士一人いたから、龍馬が聞いた人は新選組という可能性が高いからな。



