俺はもう直ぐ長州に戻る。



もう京には戻らないつもりでいるから、今日、明後日に京の町を散歩した。



俺の顔は割れてはいないが、念のために笠を被る。



「暑いな…」



俺は暑いので何処か一休みしようと近くの甘味処へと向かった。



着くと俺は店内には入らず外の椅子に腰掛けた。



「何にします?」



「茶と___」



「茶二つと、みたらし団子二つに、よもぎ餅を一つ頼むき。この人の分もあるき。じゃから、この人の分はいいぜよ。」



俺が頼もうとしたら俺の隣に腰掛けてきた男に遮られてたのめなかった。



「かしこまりました。」



そう言うと娘は店内はと戻った。



「貴様、俺が言っているのに遮るな。」



「いいじゃが。わしが奢ってやるぜよ。じゃから、そんな怒らといていな。山縣さん。」



この訛りにこの声は



「…龍馬さんか?」



「そうじゃ。わしじゃ。」


「何故こんなところに?」



「偶然見つけたからじゃ。」



「それだけですか?」



「相変わらず勘が鋭いのぅ。」



龍馬さんは笑った。



「…気を付けぇのぅ。新選組が動き出したぜよ。」



「は?」



俺はよく分からないからもう一度言ってもらえるよう頼んだ。


「新選組が鶫のことを探り寄ったで。」