藤堂さんは俺に詰め寄る。
「俺の勝手な都合で鈴を頼んだんだから。」
「では、そんなに言うならお言葉に甘えて、明日非番とらせてもらいます。」
俺がそう言うと藤堂さんは嬉しそうに笑った。
「おぅ!遠慮なく休めよ!」
そう言って藤堂さんは立ち上がって部屋を出て行こうとする。
そういえば
「藤堂さん。」
「なんだ?」
「部屋の前に女の人はいなかったですか?」
女の人が失礼します、と言い終わると同時に藤堂さんは入ってきた。
だから、藤堂さんはその女の人のことを見てたはず。
いや、絶対見てる。
「女?部屋の前にいたら、俺部屋に入ってなかったぜ。悪い冗談はやめてくれよな!じゃあな。」
藤堂さんは来た時と同じようにまた走っていった。
「いなかった…?」
いなかったとしたらあの声は一体…



