斎藤さんに教えてもらった日から随分と立った。



忙しくて中々その店に行けれない。



相変わらず鈴は記憶が戻ってない。



…まぁ、すぐに記憶が戻るわけないんや



毎晩鈴は俺が寝たのを確認すると、庭に出るようになった。



俺は鈴の後をつけ、鈴が眠るまで見張る



いつも鈴は庭で寝てしまう。



癖なのかと思ったが、違った。



鈴は毎晩月を見上げてぼーっとしている



時々頭を抑えて。



昼間の鈴は誰にでも笑かけている。



けど、夜の鈴は何処か淋しそうだ。



…そういえば飯を食う時も淋しそうにしてた。



「あー。もう、考えるのはやめだ。」



俺は副長に頼まれた書類を書いていたらここんとこ最近の鈴の様子を思い浮かべてしまうわ



俺はくしゃ、と頭をかき仕事に集中をした。