その日の昼休み、あたしは栞理たちが川上君と会話をしているのを自分の席から見ていた。


川上君は昨日あたしを誘った事を覚えているんだろうか?


それを聞きたい気もしているのだけれど、栞理のグループに入った事で自分が前へ出て行くのが申し訳ない気分になっていた。


ボンヤリとみんなの様子を見ていると、亜耶がトイレから戻って来た。


一瞬目が合い、その瞬間に目をそらす。


今日あたしは栞理たちと一緒に教室でお弁当を食べたから、亜耶は1人だったかもしれない。


いや、でも亜耶の事だ。


きっと男子生徒に誘われて楽しくお昼を食べたんだろう。


お昼に入ると同時に他のクラスの男子生徒から声を掛けられていたのを思いだして、あたしはそう思った。


もしかしたら、亜耶にとってはそっちの方が良かったかもしれない。


女のあたしといるよりも、ずっと楽しい時間を過ごせたかもしれない。


そう考えると少しだけ腹が立った。


あたしの事を影で笑っていたくらいだもん。


あたしから離れた事にせいせいしている可能性だってある。