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いつもの公園に到着すると、やっとあたしの気持ちは落ち着いてきていた。


と、同時に急速に落ち込んでいく。


川上君に誘われてうかれていた自分は、もうどこにもいなかった。


「川上君は、あたしと一緒に出掛けた後亜耶と笑うつもりだったのかな」


そう呟くと、胸の奥が押さえつけられているように痛んだ。


いつもよりも散歩の歩調は遅くなり、ため息の数が増えていく。


リリはそんなあたしを気にしていて、いつものように引っ張って歩いて行くということはなかった。


そして草むらに到着した時、あたしは自然と周囲に視線を向けていた。


ここでは最近よくヘビを見かける。


でも、今日はヘビもいないようでホッと胸をなで下ろした。


リリが草を食べている間、あたしはその場にしゃがみ込んでうつむいていた。


何度頭をふってみても、栞理に見せられた写真が蘇ってきてはあたしを苦しませる。


亜耶は親友だから、亜耶の方を信じたい。


でも、栞理の言う通り陰で笑っていたらと考えるとメッセージを送ることもできなかった。