その場でガタガタと震えているしかできないあたしは、亜耶と目があった。


真っ白なその目に涙が出てくる。


これは悪い夢だよね?


こんな事、あり得ない。


亜耶の口からヘビが出てくるなんて……!


「菜月。あたしはイレモノなの」


亜耶が穏やかな口調でそう言った。


「……イレ……モノ?」


震える声で聞き返す。


「そう。あの子たちのね」


亜耶は無数のヘビたちを見て、愛しそうにほほ笑んだ。


「どういう……こと?」


「見ていればわかるわ」


亜耶に言われ、あたしはヘビに視線を向けた。


ヘビは男2人と栞理に向かって進んで行っている。


3人は逃げるが、木の根などに足をとられて思うように逃げられない。


その内、ヘビが3人に追いついた。


栞理の悲鳴と、男の怒号が響く。


そして次の瞬間……ヘビがジャンプし、男の首筋にかみついたのだ……。