懸命にリリを追いかけて行くと、草むらの中で立ち止まっているのが見えた。


「リリ……もう少しゆっくり走ってよ」


肩で呼吸を繰り返しながらそう言うあたしを、リリが振り向いて見た。


「一体なにがあるの?」


嫌な予感を抱えながらも、リリが立っている場所を見た。


そこには一匹の大きなヘビがいて、あたしは顔をしかめた。


昨日見たのと同じヘビかもしれない。


特徴的な色や柄が全く同じだ。


「こんなヘビ、今まで見た事ないよね?」


あたしはリリに聞く。


リリはチラリとこちらを見ただけだった。


「毒蛇かもしれないから、もう帰ろう」


今は何かを食べた後なのか、蛇のお腹は丸く膨らんでいる。


今の内に逃げた方がいい。