何十、何百というヘビが亜耶の口から出て来た時、亜耶の体は骨と皮だけになっていた。


足も頬もこけ、シワシワのおばあさんのようだ。


「あ~あ、もう寿命だね」


川上君が言った。


その言葉に亜耶が振り向く。


まるでミイラのような姿にあたしは引きつった悲鳴を上げた。


亜耶は開ききった口を元に戻し、そして笑った。


「これで最後にするわ。もう体力の限界」


その声はしゃがれて、今まで聞いて来た亜耶のものとはほど遠かった。


「それがいい。俺は服が汚れるのが嫌だから、脱がせてもらうよ」


川上君は頷き、そして自分の制服の上を脱いだ。


川上君の腹部は極端に薄く、肋骨が浮き彫りになっている。


制服の上からじゃ気が付かなかったけれど、異常な細さだ。