咄嗟に、あたしは2人の後を追いかけていた。


一体どこへ向かうつもりなんだろう?


亜耶に危険が及ぶ可能性も高かった。


2人の後を追いかけて校門を出た時、後ろから声をかけられた。


振り返ると、川上君が手をふってこちらへ走ってくるのが見えた。


「川上君!」


「2人を追いかけて行くんだろ?」


川上君が笑顔でそう聞いてくる。


あたしたちの様子を見ていたようだ。


あたしは小さく頷く。


「俺も一緒に行っていいかな?」


「いいけど……」


川上君にまで危険が及ぶのではないかと思い、一瞬不安になった。


でも、もしもの時に男の人がいてくれた方が助かる。


あたし1人ではどうしようも出来ない事もあるかもしれない。


「ほら、早く追いかけないと見失うよ?」


そう言われ、あたしは慌てて2人の後を追いかけたのだった。