頭痛が治まったあたしは栞理と一緒に歩きながら、あの時のケンジ君の様子を思い出していた。


あの時ケンジ君はどうしてヘビを踏みつぶしてしまったんだろう。


別に殺す必要はなかったのに。


ちょっと脅かして追い払うだけで十分だったのに。


頭が潰れ内臓がはみ出した無残なヘビの死骸を思い出す。


そして、それと同じようにかみ殺されてしまったケンジ君。


自分のやったことがそのまま自分へ返ってきた。


そんな風に見てとれる。


「また顔色悪いけど、休もうか?」


栞理にそう言われ、あたしはハッと我に返った。


頭の中から死んだヘビを書きけす。


相手の家まではもうすぐだ。


「あたしは大丈夫だよ。早く行こう」


そう言い、あたしは足に力を込めて歩いたのだった。