あたしがそう聞くと、亜耶は困ったように首を傾げた。


「そもそも丸尾って人を昨日初めて知ったから、そんなのわかんないよ」


「え、亜耶それ本気で言ってるの?」


あたしが聞くと、亜耶はコクリと頷いた。


川上君が転校してきた事で影が薄くなってしまっていたけれど、それまでは丸尾先輩目当ての子は沢山いた。


あたしだってある程度先輩の事は知っている。


「だって、興味がないんだもん」


あたしが黙っていることで、亜耶はそう続けた。


「そっか。そうだよね」


あたしは慌てて頷いた。


亜耶の異性への無関心がそこまでだとは思っていなくて、驚いてしまった。


「ねぇ、亜耶は好きな男子のタイプとか、ないの?」


そう聞くと亜耶はニッコリと笑って「菜月がいればいいから」と、言ったのだ。