目の前には灰色のヘビがまだいて、あたしは頭を強くふってその幻像をかき消した。


「やっぱり、ソフトクリームかな」


「じゃぁ、あたしもそうする!」


亜耶はそう言い、あたしの分まで奢ってくれた。


2人してベンチに並んで座り、甘いソフトクリームを食べる。


「ねぇ亜耶……」


「なに?」


口の端にクリームがついた状態で小首を傾げる亜耶。


大人っぽい外見とは裏腹に、まだまだ子供っぽさがある。


「最近ここに……来た?」


遠まわしに、あたしは聞いた。


栞理のあの写真は本物だと思う。


でも、一応確認のためというか……。


自分で自分に言い訳をしていると、亜耶が「来たよ?」と、頷いた。


予想できていた答えに、あたしは一瞬言葉を失った。


自分で聞いておいて、なんと返事をすればいいかわからない状況。