今、なんだかすごく幸せな気分だ。


「……なんか、ごめんね」


川上君が申し訳なさそうにそう言う。


「ううん。大丈夫だよ」


あたしはそう答えた。


ショックを受ける所か、川上君が亜耶を好きでいることが当然だと思えている自分がいる。


「じゃ……じゃぁ、俺はそろそろ帰ろうかな。プリントも渡したし」


「そうだね。玄関まで送るから」


そう言いあたしたちは立ち上がった。


玄関先で川上君に手を振り、その後ろ姿を見送る。


栞理のあの写真の事、聞いてみればよかったかな?


そんな事を思いながら、あたしはぼんやりとその場に立っていたのだった。