ヘビの出現でどうなるかと思ったが、ケンジ君が退治してくれたおかげであたしたちは予定通り遊ぶことができた。


それでも、楽しい時間の中であたしは何度も踏みつぶされたヘビの事を思い出していた。


あのヘビはどこででも見かけるような種類じゃない。


もしかしたら誰かが飼っていたヘビが逃げ出したのかもしれない。


それに、あのヘビはこちらに攻撃を仕掛けてきたりしていなかった。


それなのに、ケンジ君はヘビを踏みつぶしてしまった。


あれは本当によかったのだろうか?


そんな不安は徐々に膨らんでいく。


それでも一応ケンジ君や他の友達と番号を交換して、あたしは家に帰った。


家までは栞理が送ってくれて、ケンジ君といい雰囲気だった事を気にしていた。


正直あたし自身もケンジ君の事はいいなと思っていた。


でも、それは心の中だけにとどめ口には出さなかったのだった。