そして真っ直ぐヘビのそばに近づき、その頭を思いっきり踏みつけたのだ。


栞理の悲鳴が聞こえてきて女子たちが視線をそらす。


しかしあたしはその光景に釘付けになっていた。


ケンジ君の足が一旦持ち上がり、そしてまたへ時の頭部に直撃する。


ヘビの頭はあっという間に潰れ、肉と血が見えてピンク色の塊になってゆく。


それでもヘビは体をくねらせて、ケンジ君から逃げようとしていた。


地面にへばりついた頭部が自身の動きを塞ぎ、またケンジ君からの攻撃を受ける。


そうしている間にヘビは動きをゆるやかにしていき、やがて止まった。


「……死んだ……」


あたしはポツリと呟いた。


ヘビはもう動かない。


それを見てケンジ君が振り向いた。


「な、大丈夫だろ?」


自信満々に言うケンジ君に、あたしは胸の奥が嫌な予感で埋め尽くされていたのだった。