『好きだよ…』 私の髪に指を通し、近距離で優しく見つめながら、彼はそう言う。 彼の“好き”は麻薬よりも危険でいて、媚薬よりも甘い。 『本当に?』 そう聞き返す度に彼は“本当だよ”と答える。 なら、何故彼は私のものにはならないんだろう-…