イケメン王子とお姫様♡

「ねぇ、もしかして9番?」

後から声がしたので振り向くと。

俺が探していた、アイツが立っていた。

「わっ、月影さまじゃん!」

ソイツはビックリしたのか一歩後ずさった。

「おい、そんなビビんなよ。」

はぁー。とため息をついて目を開けると...

「いやー。だってあの月影さまだもん。」

と言って恥ずかしそうに俺を見上げるソイツ。

さすがにドキッとするわ。だって美人な人に上目遣いされんだぜ?
やべぇだろ。

「あのってなんだよ。」

緊張をほぐすように言う。

「だって有名でしょ?ってか、時間なくなっちゃう!行こ!」

ぐいっと俺の手を引っ張って歩き出す。

「なぁ、名前なに。」

俺はちっこいソイツを見ながら言う。

「あー、あたし?瞳子!名取 瞳子。よろしくね?」

ニコッと笑いながら言う名取。

「ってかさぁ、いつまで手握ってんの?」

俺はまだ握られたままの手を見ながら聞く。