「いいかー!今日はこのテーマパークで男女ペアになって回ってもらう!ルールが1つ!手を繋ぐこと!」
この学校の雰囲気に合わないしゃべり方をしているのはこの学校の人気教師、矢橋通。
通称、やっさん。この人と話すときだけみんなタメだ。
俺の名前は月影 奏。高二。俺の親は大企業の社長で、まぁ、俺が後を次ぐことになっている。つまり俺は「御曹司」だ。
まぁ、俺の通ってる学校はそんなやつばっかだ。つまり、金持ちが通う学校。
「よーし、男女別に別れてくじを引けー。」
ぞろぞろと動き出す生徒たち。
「私、月影さんとなりたいわ~。」
「え~。私も~!」
「皆さん、月影さまは皆のアイドルよ?独り占めはよくなくってよ。」
急に気取った声が響く。
「あ、愛梨さん...。」
愛梨と呼ばれた女は、山根 愛梨(ヤマネアイリ)。
この学年の女子のリーダー?中心角?
うちの学校では一番の金持ちらしい。
「月影さまはだれかの物じゃないのよ。皆の王子よ。そうでしょ?」
ニコッと笑いながらも鋭い目付きで女たちを睨む山根。
まぁ、美人らしい。
「奏きゅ~ん♡モテモテだねぇ。」
俺の肩に誰かの顎が乗った。
「おい、佑樹。キモい呼び方すんな。」