私が陸山君と出会ったのは去年の春。




入学式の日、私は先輩に絡まれていた。




そこから助けてくれたのが陸山君だった。




__________




「やめてくださいっ!!」




「いいじゃん、ちょっとくらい」




「私、入学式に行かなくちゃいけないので!」




「そんなもんサボればいいだろ。ぐちぐち言わずに早く来いって。」




「いやぁ!!」




私は思いっきり叫んだ。




でも、叫んだことが裏目に出てしまった。




「…チッ。暴力は避けよーと思ってたけど、素直に来なかったお前が悪いんだからな。」




そういった先輩が思いっきり拳を振り上げた。




殴られるっ!!




そう思った瞬間、振り下ろされた手が止まった。




恐る恐る見上げてみると、驚いた顔をしている先輩と、横から先輩の手を止めている男の人がいた。