向日葵「おやすみ。」



向日葵は陽向の寝たところを確認し、俺らの方へと向きかえった



向日葵「…説明するからついて来い」



顎でクイッと指示され、向日葵を先頭に会議室と書いてあるところへ入った



向日葵の横に白衣の男、雷、京、飛鳥が座り、その正面に俺たちが座る



向日葵「…容態は全身打撲、右手足骨折、左足捻挫。
一週間くらいは安静だが普通に治る。

訊きたいことは?」



淡々と病状だけを喋る向日葵



…何故こんなに冷静なのかが何も知らない俺には分からなかった



雷「なぁ、琥珀の髪とか瞳とかって生まれつきなのか?」



ずっと気になっていたらしい琥珀の容姿について聞いた



俺は元々向日葵から聞いていたから知っているがこいつらは知らなかったのか



向日葵「あぁそうだ。陽向もな」



…それにしても、誰1人として黒髪黒目がいないっつーのは凄いよな



一応全員日本人なんだけど



琥珀「…陽向は、記憶喪失なのか?」



唐突にずっと黙っていた琥珀が恐る恐る聞いた



向日葵「あぁ。医師は頭を強打したとか言っていた」



……おかしいな



向日葵の割には曖昧だ。



いつもなら「頭を強打したせいで」っていう風に言うのに



琳歌「…どこまで覚えてるの?」



向日葵「全部。知能に問題はないが、記憶は全くない」



…記憶喪失