まず目に入ったのは、白。



何処を見渡しても白だった



…病院?



何故か痛む身体を無理矢理起こし、キョロキョロと何かを探すかのように辺りを見る



……俺は何を探してるんだ?



探すも何も、ここには何かの点滴と機械しかない。



…なんでここにいるんだろう



そう思っていると、この病室の扉があいた



無意識にそこへと目を向ける。



一番始めに入って来たのは、黒いパーカーのフードを被った長い黒髪に茶色い瞳の女の子。



…誰だろう。



よく分からず、女の子をじーっと見ていると、後ろから人が見えた。



4人の男でどう見ても女の子とは釣り合わない歳だ。



その内1人のくせっ毛のある茶髪の男は白衣を着ている



…医者だろうか。



……とりあえず、俺と同じくらいの女の子に聞いてみよう。



陽向「…どちら様?」



俺がそう言うと女の子の後ろの男たちは目を見開き驚いた。



問いかけた女の子は無表情で俺に近づいてくる



??「…自分の名前、わかる?」



返ってきたのは質問の答えではなかった。



だが、そう言われて考えてみると…



陽向「…わかんない。
俺、誰?君は知っているの??」



何故だか俺は自分が誰なのかがわからない



でも、この子なら知っている気がした。



??「君の名前は桃井陽向。
ひなたは、太陽の陽に向くって漢字。
今は16歳で高校1年生だ」