飛鳥「…足、速いんだな。あいつ」



走っていく向日葵の背中を追いかけながら隣を走っている飛鳥が意外そうに呟いた。



雷「…陽向が心配なんだろ」



向日葵の第一印象は冷めた生意気な奴、だった。



他人に無関心で冷静沈着で常にポーカーフェイス、完璧な容姿で運動も勉強も出来る天才だけど、心が欠けていた。



泣きも笑いもしない。



喜怒哀楽がないように見えた



けど、違った。



向日葵は仲間だと思う奴は命を賭けてでも守る奴だった



他は切り捨てるし、俺らの過去を知っていて怪しい奴だが、少なくとも敵ではないと思ってる。



今だって…



向日葵「すいません。」



受付「はい。どう致しましたか?」



向日葵「桃井陽向の病室、どこですか?」



受付「…先ほど運ばれた方ですね。
今は手術を終えて二階の205号室にいますよ」



向日葵「ありがとうございます」



きっと余裕は無いのだろう。



だが、病院内では走ってはいなく、歩いてエレベーターへ向かってボタンを押した



俺らも同じのに乗ると、慣れた手つきで扉をしめ、二階へ行った



205と書いてある個室の前で止まると静かに扉を開けた。



中にはベッドで目を閉じて眠っている黒髪に青のメッシュが入っている少年と白衣の男。



一応ここで働いているが、見たことがない。



違う科なのか?