紫月「…わかりました。
全てをお話します。



全てが始まったのは今から11年前です



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父「今日からお前の母親の ーー だ。」



母「へぇ、こいつ?」



紫月「…よろしくおねがいします。
山中紫月です」



俺が5歳の時、知華の母親が家に来た。



…正直俺はまたかと思った



俺の母親はろくな奴じゃないという事しかよくわからない。



知りたいとも思わないが。



知華の母親と結婚する前にあいつは何度も結婚、離婚を繰り返していた。



1年も続かないことが多かったから、今回もどうせすぐ離婚するだろうとそう思ってた。



だが、俺のことを睨んでくる母親の後ろからひょっこり顔を出した子がいた



紫月「…君の名前は?」



知華「…ち、か。」



紫月「…ちか?」



父「お前の兄妹になる知華だそうだ。」



紫月「…きょうだい?俺の妹??」



今までに子連れはいなかったから、俺にとって初めての存在だった



守らなければ。そう思った。



自分より年下で女。



年上の人しか見たことがなかった俺は積極的に知華の世話をした



…嬉しかった。



今までろくな女が居なくて、俺はただの道具として使われてたから。



あいつの昔の女に無理矢理覚えさせられた家事を道具として俺を使った。



それは父親であるあいつも同じだった