紫月「…同じだろ。」



知華「違う!!」



紫月「…同じだ。俺はいつになっても、何をしても'あいつ'からは逃げられない
'あいつ'が死んでからもずっとな。」



…死んだ瞳をしてる



さっきまであった瞳の光が消えて真っ黒だ。



知華「…お兄ちゃんにとって私は何?」



紫月「……他人。
もう何の繋がりもない赤の他人だよ」



知華「私はね、私にとってお兄ちゃんは、戸籍も血も繋がってなくても私にとってはお兄ちゃんなんだよ。
私にとってたった一人の兄妹。」



知華がそう言うと少しの間沈黙となった



俯いていた紫月は少し顔を上げ、言葉を発した



紫月「……今日はもう帰ります。」



ペコリと一礼だけし、一度も振り返らず紫月は走っていった。



知華の方はしゃがみ込んで泣いている



…どうすればいいんだ?



そう考えているのは俺だけじゃないらしく、彼方たちも雷たちもオロオロとしている。



唯一動揺していないのは空だけだ



そんな空はしゃがみ込んでいる知華に声を掛ける



空「知華。」



え…?



俺らがびっくりしていると知華が顔を上げた



知華「時雨さん!!」



は!?



海「空!もしかして、知り合いなのか?」



知華「え?空??」



つーか、時雨(シグレ)ってハッカーの時の…



ってことはまさか…



雷「…よくわかんねぇけど、とりあえず場所移動するぞ。」



空「…そうだな。」



頭が混乱していた俺らに雷はそういい、空がそれに賛成した為、俺らは道路から青星のトレーニング用の家へ移動した。