知華「お兄ちゃん…?」



「「「「「「「「「「お兄ちゃん!?」」」」」」」」」」



紫月の妹!?



あぁ、そういえば調べた時空が言ってたような…



知華「あのね、お兄ちゃん。もう'あの人'はいないよ
もう、逃げなくていいんだよ。」



紫月「…」



知華「私ね、今は親戚の家を転々としてるんだ

ねぇお兄ちゃん。また一緒に暮らそうよ
今はお父さんと暮らしてないんでしょ?


やっと一緒に暮らせるようになったんだよ…」



ポロポロと涙を流す知華を辛そうな顔で見ていた紫月はすぐに無表情に戻った。



紫月「…帰れ。」



知華「お兄ちゃん…」



紫月「…お前と会ったことが'あいつ'にバレたらどうなる?
また離されるだけだ。

今すぐ帰れ。二度と会いに来るな」



聞いたこともない低い声を出し、知華を引き離す



知華「お兄ちゃんっ!

どうしてよ!!ずっと…ずっと探してたんだよ…??8年間ずっと!!

やっと、見つけたのに…
どうして…?


お兄ちゃんももう私は要らない??」



紫月「…もう、俺とお前は戸籍上でも兄妹じゃない。


知華、こんなところにいないで早く遠くに行けよ。
'あいつ'にここに居ることがバレたらお前は一生'あいつ'の下だ。
二度と自由になんかならないんだ


…今ある自由を自分から無くすようなことすんなよ」



知華「じゃあお兄ちゃんは?」



紫月「…見ればわかるだろ?俺は充分自由だ」



知華「そんなわけ無い!
自由じゃないのはお兄ちゃんの方じゃない!!
私はもう8年前に自由だった!!
お兄ちゃんが助けてくれたから!

もう何も出来なかった6歳じゃない!!
あの時と同じじゃない!!」