トントンッ



裏の玄関から合図が聞こえ、鍵を開ける



琳歌「…おかえり。ひまちゃん」



向日葵「…ん。」



全身真っ赤に染まって帰って来たひまちゃん。



全身が真っ赤なのはひまちゃんが怪我しているからではなく、ターゲットの返り血を浴びたから。



…現在の時刻は9時56分。



ひまちゃんがここに来たのは9時10分で、それから9時40分から仕事に行き、帰ってきたのが今。



ターゲットの場所まで往復6分だとしても、速すぎる



あきらんかはるるんのどちらかが来るまで待っていた時間が2分程。



そう考えると、ターゲットを仕留めたのは8分弱。



今日は集団売人の仕事だからかなりの数はいたはず



それでもひまちゃんは、光は、10分もかけないで終わらせる。



ガチャッ



いつもの格好に着替えて自室から出てきたひまちゃん。



琳歌「……もう行くの?」



向日葵「…車、待たせてるから」



琳歌「……そっか。気をつけてね」



向日葵「…ん。」



ひまちゃんは大きな黒い重そうなバッグを肩にかけ、裏の玄関から出ていった。



……ここのところ、ひまちゃんはおかしい。



…なんで、なんてそんな理由はわかってる。



理由はわかっていても、私には手は出せない