あの人は、初めに話した通りの口調で俺たちに笑いかける



「…何か用か」



前、あんな風に別れたため、気まずくなにも喋れなくて固まっていたら、いつものようにLimaが話しかけてきた



「あのっ!調べて欲しいことがあります!!」



相変わらず顔も体もPCへ向かっているが、俺たちは気にせずLimaへと頭を下げる



「……夜明黒。」



俺らが言うより早く、黒の名を口にした。



だが、その名を口にしたのはLimaではなかった。



「!!
あなたも知ってたんですか!?」



俺たちは下げていた頭を勢いよく上げ、あの人へと身体を向けた



「……知ってるよ
ま、教える気なんてないけどね。」



ね、Lima。とLimaの方を向いてにっこり笑った。



…教える気なんてない?



「なんでっ!」



ふざけんな!



「お前らが知る必要などないからだ」



ここまで来たのに!!



「お前らに教えられるような情報は何も無い」



諦めてたまるかよ!!



「今まで知らなかったんだろ?
知らないなら知らないままでいい」



「ふざけんなよ!!
俺たちは必ず黒を見つける!」



「確かに知らなくてもいいこともあるかもしれない。
でも!夜明黒は僕たちの姉ちゃんだ!!」



「Limaもあんたも、教えてくれる気がないなら、俺らは自力で見つけてやる。


もうお前に頼むことはない。
情報をくれたことには感謝してる
報酬は後ほどここに送る。」



もう二度とここには来ない。



俺たちはそう宣言し、一度も振り返らずに家へと戻った。



それからは一度もLimaの元には行ってない」