…黒(クロ)。



俺の名前の白と対となる黒。



……普通なら逆じゃないかと思う。



男が黒で、女が白



…でも、俺はこれでいいと思った



綺麗な容姿とは正反対とも言える黒。



どんな意味でこの名前を付けたのかは知らないが、そんなことはどうでもよかった



…ただ、黒に、俺の姉に、俺の片割れに、対となる名前が付けられていたことが嬉しかった。



「…ありがとうございます。」



「長く付き合ってくださってありがとうございます。
姉ちゃんは必ず見つけます」



名前が知れてよかった。



彼女は絶対に見つける



「いいえ。また何か聞きたいことがあったらいつでも来てちょうだい。
楽しみにしてるわ」



最後まで七菜子さんは笑顔で、去っていった。



「「………。」」



帰りは俺たちは一言も喋ることなく、家へと向かった。



…そして次の日、名前を知ったらいてもたっても居られなくなり、また仮病を使って学校をサボり、Limaの元へダッシュで行った



「お邪魔します!」



中に入ると、そこにはLimaだけでなく、この前会ったあの人もいた。



「……久しぶりだね!」