「…実は、両親が青が産まれてからすぐに離婚して、姉だけ女だから母親に引き取られたんで、生き別れたんです。

その頃のことまだ小さくて俺らは全然覚えてないんですけど、最近になってこの写真を父の部屋で見つけて…
その時は双子だってことも知らなかったんですけど、父に問い詰めたら俺の双子の姉だって言われて……

でも、どうしても、名前は教えてもらえなくて。


いくら両親が離婚して別れたとしても、俺にとっては大切な片割れなんです。

お願いします。もし知っているのなら、姉の名前を教えてください」



立ち上がって90度に体を曲げる



「…お願いします。
僕たちにとって、大切なたった1人の姉なんです」



教えてください。と青も頭を下げた



「…そうだったの。
ごめんなさい。無神経だったわ

頭を上げてちょうだい。
行方知らずなら、私も気になるわ」



少し沈んだ声で言われ、こんな人に嘘をついた罪悪感でいっぱいになる。



「あなたたちのお姉さんの名前は"黒"ちゃんよ。
黒色の黒。あなた達と同じように色で付けられたのね

黒ちゃんは白くんともお母さんたちとも違って、写真の通り産まれた時から綺麗な金色の髪で、瞳も珍しい透けるようなエメラルドグリーンでね。



凄く綺麗な子で。印象的だったのよ」