「…ああ、ごめんね。
恐かったでしょ?体調悪くない??」



眉を下げて謝ってくるLimaを知っているらしいこの人を見ながら、壁に背をあずけてズルズルと立ち上がる。



「……Limaのこと知ってるのか」



ずっと警戒してこの人を無言で睨んでいた白がようやく口を開いた



「…うん。まあね
同業者みたいなもんで、結構関わりあんの。

それより、君たちみたいな表の人間が何でわざわざLimaに情報を?
そこまでして探したいものがあるの??」



心底不思議そうな顔で僕らの顔色を伺いながら首を傾げる



同業者、ということはこの人も情報屋なのだろうか。と適当に想定した



「あなたも同業者なら知ってるでしょう?
僕らは家族を探している。ただそれだけです」



この人ではなく、Limaへ情報を求めているため、特にこの人へと話す必要はないだろうと、簡潔に教える



だが、僕のその言葉でこの人の顔色が一気に変わった



「もっと現実みたら?」



「え?」



さっきみたいに緩い喋り方ではなく、低く、酷く冷たい声だった



「家族?そんな訳ないだろ??
家族ならば何故探さなければならない?
家族ならば裏じゃなくても表で警察が探せる。

それをしない。いや、出来ないんだろ?
それなら、そいつは家族じゃない


裏でじゃないと探せないくらい繋がりがないんだろ?
繋がりがないならそいつは家族じゃない




いい加減諦めろ」