小学生の頃、数回だが父親に連れられて組に顔を出した事があり、一応長男の為若頭という意味の"若"と組員の人達に言われるようになっていた。



『…若、落ち着いて聞いてください

組長が怪我をされて、今病院に居ます。
容態はそれほど悪くありませんが、検査の為1週間ほど入院することになりました。
なので、服などを持ってきて貰えないでしょうか。

オレたちは組長の私室に入ることは出来ないので、、』



元々組長をやってる以上、怪我することは多々あったが、入院することは滅多になかった。



ってゆーか、この時が初めてだった。



だからか、この時俺は結構戸惑ってたんだ。



「……」



『…若?大丈夫ですか??』



「…ぁ、大丈夫です。
病院を教えて貰えますか?すぐに持っていきます」



その後、病院を教えてもらってから電話を切った。



ガチャッ



それと同時に玄関があいて、青が帰ってきた。



「あ、ただいま。」



「…あ、あぁ。」



まだ信じられなくて無意識に声が震えた



「……どうしたの?なんかあった??

…電話、誰からだったの?」



俺の様子がおかしいのがわかったのか、荷物を置いて俺に近づいて来た



「……父さんが怪我して入院だって。」



「…え、?入院??」



「そう。今、組員の人から電話があって着替え持ってきてくれって。」