白「黒!黒っ!!

っ…!」



肩に強い衝撃が来、いつの間にか俺はふらっと横へと人混みを抜けた。



大柄の人がぶつかり、余程の強さだったのか、痛む肩を反対の手で抑える。



そこで、はたまた人混みにいる目的を思い出した



白「っ!黒!!」



バッと立ち上がり、走り出そうとするが、既に目的の人物らしき人はいない



自分でも、どんな容姿をした目的の人物なのか全くわからないのに。



ただただ混乱する頭で俺は元の方向へフラフラと戻った。



…こんなに長く走ってきたのか、と思うほど俺は夢中で人混みを走っていたらしい



100mほどだったと思う。



普段でも全速力で走ることなどないのに、自分でも驚くほどの距離だ



戻って来た人混みを抜けた先には呆然と突ったっている青たちがいた。



何故呆然としているのかなどわからなかったが、突然走っていったわけだから一応謝ろうと声をかけた



白「ぁ…っと、青??彼方たちもどうした?突然走ってってごめん。なんかあったのか??」



ハッとした様子で全員がやっと俺へと目線を向けた



きっと、俺が声をかけるまで俺が戻って来ていたのに気がついていなかったのだろう。



彼方「…ぁ、いや、なんでも。」



翼「…それよりも、"くろ"って知り合い?色だし、もしかして兄弟とか??」



……あぁ、そうか。



こいつらには話してないんだった



唯一知ってるのは"俺ら"と向日葵か。