彼方「…って、らしい。」



僕たち同盟総長は青星幹部たちと共に病院を後にし、彼方から琥珀たちの過去を聞いていた。



翼「…ありえない話だよねー
知り合いが過去に、しかも琥珀は二回も記憶喪失なんて、ね。」



翼の言う通りだ。



記憶喪失ですら珍しく、僕だって陽向にこんなことが無ければドラマや小説の中だけだと思ってた。



それなのに、琥珀と陽向は二回も記憶喪失になってる。



向日葵が言っただけの話だけど、確かめの為に琥珀へさりげなく聞いてみたら8歳より前の記憶はないらしい



…つまり、向日葵の言ってることは本当だ



……でも、



白「…確かに、あの2人の過去は一部だけでも衝撃だが、一番知りたいのは向日葵の過去なんだろ?

聞かなかったのかよ。
いくら慣れてるからとはいっても、突然事故で記憶喪失なのに、なんでお前は冷静なんだ。って」



…ま、聞くだけ無駄だろうけど。



あの向日葵の様子じゃ、全く答える気はないだろう



白「…つーか、それよりも、、」



青「…白?」



不自然なところで言葉を止め、隣で立ち止まった白に、僕は振り向いて呼ぶ。



だが、白は一向に応えようとも歩こうともしない。