正直、声が被った時は驚いた



…でも、俺がそうなら神楽もありえない話ではない。



向日葵「…どっちから?」



聞いてくれるらしい。



滅多に俺が何かをいうことがないからか、下っ端も幹部も先代も全員俺らの話に興味津々だ。



神楽「凪から話す?」



コテンッと首を傾げ、俺を見る



凪「…あぁ。」



どっちが話してもどうせ同じだろ



凪「……昨日、記憶の夢を見た」



「「「「!!」」」」



記憶の夢、



前に神楽たちの過去のついでに話した、俺の本当の家族の記憶。



伊織「…思い出した、ってことか?」



凪「……一部だけな。」



神楽「…一部?どの部分のこと??」



凪「兄貴と弟の名前、俺の本名。」



俺が見た夢は唯一覚えていた火事の夢じゃなく、普通の日常生活だった。



普通、というのは一般的には普通じゃないだろう。



でも、俺の中では普通の日常生活だった



向日葵「…神楽は?」



…やっぱり向日葵は知っていたのか



昔、会ったことでもあったか?



神楽「…俺も同じ。
昨日、夢を見て兄ちゃんと兄貴の名前、本当の名字も思い出した」