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「露李さま!?どうなさったのですか!?」
気配を読み取りまた玄関で待っていた海松は、守護者たちに支えられて入ってきた露李を見ると真っ青になって駆け寄った。
「何かこの本に触れたら露李の様子がおかしくなった。それに、また水無月たちが襲ってきたんだ」
「やはりですか…」
疾風から事情を聞くと眉を寄せた。
「何だよ、やはりってぇのは」
理津が噛みつくように海松に凄んだ。
それに応えるように理津を睨み返しながら、露李を運び込むのを手助けする。
「結界が破られましたから、敷地内にいる私でも奴らの気配を感じたのです。微力ではありますが、破られていない所を強化しておりました」
幼馴染みの五人にも敬語を使う海松だが、この時ばかりは幼馴染みだけに容赦の無い冷たさを浴びせていた。
「露李さま、大丈夫ですか?もうすぐお部屋ですからね…」
理津に浴びせかけたときとは全く違う口調で声をかけている。
「静くん、お水を持って来て頂けますか?」
静は無言で頷くと、すぐに台所へ走って行った。
程なくして水を入れたコップを持って静が帰ってくる。
とりあえずと露李を部屋へ運び込んだ一行は、心配そうに露李が水を飲む姿を眺めていた。
その気持ちは嬉しいのだが、何せ六人もの視線が突き刺さっているために居心地が悪い。
「あのー?」
「お、おー!何だ!一息ついたか!」
結の声が固い雰囲気を断ち切るように響いた。
心なしか他の面々も表情が柔らかくなったようだ。
ずっと無表情だった文月と理津も安堵のため息をついた。
「そんなに見られると恥ずかしいんだけど」
「あー!あー、それはあれだ、気のせいだな」
「結。それはさすがに無理があると思うけど」
文月が呆れたように笑う。
「大丈夫なのか?」
疾風はまだ眉を下げている。
「大丈夫って言ってるでしょ」
笑ってみせるが、言い方が天の邪鬼な自分を心底恨みたくなった。
可愛くない。
「露李さま、今日はもうお休みになった方が…」
海松の言葉に露李は笑顔で首を振る。
「ありがとう。でも未琴様の所に行ってからにするわ」
目を見開く海松。
「お言葉ですが、それはお体に良くないのでは…?」
口ぶりは丁寧だが、海松の言いたいことは皆分かっていた。
“未琴と関われば露李がどんな目に会うか分からない”と。
敬っている相手にしては随分な物言いだが、あながちこれも間違いではない。
全てが自分達に託された使命のためだと理解してはいても、関わりを持たせたくないと思ってしまうほどに露李の苦しむ姿を見すぎてしまった。
「大丈夫。みんな、一緒に来てくれるんでしょ?状況報告もしなきゃならないんだしどうせ」
あくまで強気だが、本心では会いたくないはずだ。
しかしここは本人の意志を汲むべきなのだろう。
露李がぴょこんと立ち上がるのを見守り、六人が立ち上がる。
「露李さま!?どうなさったのですか!?」
気配を読み取りまた玄関で待っていた海松は、守護者たちに支えられて入ってきた露李を見ると真っ青になって駆け寄った。
「何かこの本に触れたら露李の様子がおかしくなった。それに、また水無月たちが襲ってきたんだ」
「やはりですか…」
疾風から事情を聞くと眉を寄せた。
「何だよ、やはりってぇのは」
理津が噛みつくように海松に凄んだ。
それに応えるように理津を睨み返しながら、露李を運び込むのを手助けする。
「結界が破られましたから、敷地内にいる私でも奴らの気配を感じたのです。微力ではありますが、破られていない所を強化しておりました」
幼馴染みの五人にも敬語を使う海松だが、この時ばかりは幼馴染みだけに容赦の無い冷たさを浴びせていた。
「露李さま、大丈夫ですか?もうすぐお部屋ですからね…」
理津に浴びせかけたときとは全く違う口調で声をかけている。
「静くん、お水を持って来て頂けますか?」
静は無言で頷くと、すぐに台所へ走って行った。
程なくして水を入れたコップを持って静が帰ってくる。
とりあえずと露李を部屋へ運び込んだ一行は、心配そうに露李が水を飲む姿を眺めていた。
その気持ちは嬉しいのだが、何せ六人もの視線が突き刺さっているために居心地が悪い。
「あのー?」
「お、おー!何だ!一息ついたか!」
結の声が固い雰囲気を断ち切るように響いた。
心なしか他の面々も表情が柔らかくなったようだ。
ずっと無表情だった文月と理津も安堵のため息をついた。
「そんなに見られると恥ずかしいんだけど」
「あー!あー、それはあれだ、気のせいだな」
「結。それはさすがに無理があると思うけど」
文月が呆れたように笑う。
「大丈夫なのか?」
疾風はまだ眉を下げている。
「大丈夫って言ってるでしょ」
笑ってみせるが、言い方が天の邪鬼な自分を心底恨みたくなった。
可愛くない。
「露李さま、今日はもうお休みになった方が…」
海松の言葉に露李は笑顔で首を振る。
「ありがとう。でも未琴様の所に行ってからにするわ」
目を見開く海松。
「お言葉ですが、それはお体に良くないのでは…?」
口ぶりは丁寧だが、海松の言いたいことは皆分かっていた。
“未琴と関われば露李がどんな目に会うか分からない”と。
敬っている相手にしては随分な物言いだが、あながちこれも間違いではない。
全てが自分達に託された使命のためだと理解してはいても、関わりを持たせたくないと思ってしまうほどに露李の苦しむ姿を見すぎてしまった。
「大丈夫。みんな、一緒に来てくれるんでしょ?状況報告もしなきゃならないんだしどうせ」
あくまで強気だが、本心では会いたくないはずだ。
しかしここは本人の意志を汲むべきなのだろう。
露李がぴょこんと立ち上がるのを見守り、六人が立ち上がる。


