【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく


理津と疾風はまだ何か言いたそうな顔をしていたが、そこに運良く一陣の風が吹き抜けた。


「露李!!大丈夫か!」


「疾風、理津!静も大丈夫!?」


上から結と文月の声が降ってきた。


「何があったんだ、こりゃ……」


水無月が石畳に突き刺した刀を引き抜きながら結が呆気にとられたように呟いた。


「水無月と星月夜が来てたんすよ」


疾風はそう伝えながら二人が消えた闇を睨む。


「そうか、じゃあアイツらは二人の仲間だな」


「あ?アイツらって何だよ」


「花霞の仕舞われてる蔵の近くの結界にね、敵が三人いたんだ」


一人は宵菊って女で、後の二人は秋雨と睡蓮って男だったよ、と文月が顔をしかめて言った。


「三対二で戦ってきたんですか!?それに、文月先輩顔に切り傷が…結先輩も!」


露李が弾かれたように二人に駆け寄る。


「お、おう…何だっ、うわ触るないてえ!」


「大丈夫だよ、俺たちは普通より治りが速いからね」


文月は上手く避けたが、結は逃げ切れなかったらしい。

露李がハンカチを傷に押し当てる。


「絆創膏ありますから、洗ってから貼ってください」


「こんなんほっといたって治るっつーの」


「駄目です!」



どちらが年上か分からない光景に、四人は苦笑だ。