「出でよ、雹雷鬼!」
目が眩むような光。
金銀の光の粒を纏い、露李の姿が変化する。
滑らかな淡い栗色の髪は銀に。
振り返って桜木を見つめるその瞳は金に。
額には一対の角。
恐怖さえ覚える美しさに瀧谷と桜木は言葉を失った。
どこからともなく出現した刀を握り、凛とした姿の風花姫がそこにいた。
「露李、様───」
いつの日か、その姿を見ると憎しみを感じるようになっていた。
黒い感情が心に渦巻いて、冷たい態度をとることしか出来なくなった。
酷い言葉を浴びせられても、以前のように庇うことはなくなった。
突然起こった自分の感情の変化に違和感を抱きながらも、止めることは出来なかった。
それなのに。
その目を見た瞬間、思い出した。
家族のように過ごした日々を、笑顔を、思い出を──その全てが温かかったことを。
「露李様…!!」
呼びかければ、笑顔で応えてくれる。
その心をどれだけ傷つけたのだろう。
「桜木。この姿は怖いでしょう?目をつぶってて」
こんなにも優しいのに。


