「露李様。この先に進んではなりません」
「どういうこと?」
「桜木!それは…」
瀧谷がしまったと言う顔で口を閉ざした。
「……どういうことだー?」
口先だけは明るいが、鋭い眼差しで結が問う。
「露李様。外してくださいと言ったのに。そう申し上げたのに…!」
桜木が神影家から贈られた装飾を露李から剥ぎ取る。
「皆様も外してください!」
あまりの気迫に守護者たちもそれらを外した。
「桜木、やめろ。後でどうなるか──」
「瀧谷。貴方たちは何を言っているの」
露李の静かな声に瀧谷がピクリと身体を揺らす。
「姫様には…話せません」
「……分かったわ。でも、おおよそで良いから答えて」
そう言って桜木に向き直る。
「これから何か、悪いことが起こるのね?」
こくり、と桜木が頷く。
それで終わるつもりだったが、桜木は耐えきれなくなったように口を開いた。
「罠です、露李様……この先に、恐ろしいものが放たれています。薫様が解き放ったのです、魔物を」
「魔物?」
「桜木っ、貴女は!」
瀧谷の反応で本当なのだと分かる。
「薫様と克雪様が話していたのを聞きました。あの方は……露李様に危害を加えるつもりなのです」
「……そう。あの二人なら、驚きはしないけれど」
露李は笑って木々の向こうを見透かすように見つめた。
「感じます。何か妙なものを」
露李が言うと守護者たちも頷く。
「おー、やばいなー」
「結が言うと全くそんな感じがしないけどね」
確かに、と他の面々も笑う。


