ほどなくして桜木が皆の部屋に寝具一式を抱えてやって来た。
「失礼致します。桜木でございます」
はい、と言いつつ静が出る。
「露李様はどちらに?」
「ああ、僕たちの傍にいます」
何ということもなく答えると、桜木は少し驚いたような顔をした。
「あの…何か?」
おずおずと訊ねると、彼女は心なしか虚ろな目で呟く。
「……眠れるようになったのですね。露李様」
「え?」
「露李様は……私とでなければ眠れなかったはずですのに」
普段と違う声の調子に静が狼狽えると、桜木はハッとして姿勢を正した。
「私、何を──あ、それより露李様でしたわ」
またすぐに無表情に戻る。
「こんなところで───」
そう呟き、言葉を切った。
不自然な静寂があった。
不思議に思って静が駆け寄り──はたと足を止める。
「静、どしたー?」
結がめざとく声をかけてくれる。


