「上がりましたー。皆もどうぞー」
そう言いながら部屋に入ると、守護者たちはどこから出したのかトランプで遊んでいた。
「お、露李戻ってきたなー!お前もやるかー?」
「ちゃんと髪拭いてからにします」
巫女装束を含めた服の類いも桜木に渡し、身支度も彼女がしてくれたので問題ないが、冬に髪が濡れていると寒くなってしまう。
「トランプ、荷物に入れてたんですか?」
桜木から貰っておいたタオルで髪を拭きながら訊ねると、静が首を振る。
「僕が出しました」
「出す?創ったってこと?」
「はい。先輩方があんまり欲しいって言うので」
能力の使い所はそこか、と苦笑する。
「良いだろ別にー。これあがったら俺達は風呂行ってくるから、理津と疾風、お前らしっかり守れよー」
そう言いつつ何枚かカードを場に出し、結がばたんと畳に寝転んだ。
「よっしゃ終わったー!」
「…無駄に強いな」
「本当にねー」
何回目なのだろうか、疾風が仏頂面で呟き、文月も頷く。
「無駄とは何だ無駄とは!つーか静お前、昔っから弱いなー」
「先輩たちが強いんですー!」
静は不本意だろうが、ふてくされた顔も可愛い、と露李は頬を緩めた。
理津が横で顔をしかめるのは見なかったことにしておく。
「じゃ、行ってくる。良い子にして待ってろよー」
「子供扱いしないでください。あ、文月先輩行ってらっしゃい」
「うん。行ってくるね」
文月と結が露李の頭を撫で、静は一礼して部屋を出ていった。


