桜木の視線が気になったが、滞りなく食事は終わった。
しかし警戒していたため味も分からなかった。
溜め息をついて部屋へ下がる。
「露李、何か違和感ねーか?」
誰もいないことを確認するなり結が訊いてくる。
「違和感ですか?そうですね、海松ちゃんより味付けが濃かったとかですかね」
「…料理ではなく身体のことだ、アホ」
すかさず疾風に突っ込まれてしまう。
分かってるわよ、と返しつつ皆の渋い顔に閉口する。
警戒しなくてはいけないのは分かっているが、皆がそのように構えていては居心地が悪いことこの上ない。
静までが鋭い面持ちだ。
スマイルスマイル、などと明るい言葉をかけるつもりもないが。
そう思っていると、結がにかっと笑って口を開いた。
「おーいお前ら、顔かてーぞ?」
「仕方ねぇだろ、怪しさ満載なんだからよ」
「警戒するのはいーけどな、余裕なさすぎだ」
うっと理津が詰まり、文月が微笑んだ。
静と疾風は驚いたような顔をしている。
「神経張りすぎてダウンしたら元も子もねーぞ!」
「本当だ。露李ちゃんを不安にさせたらダメだね」
文月がごめんね、と言ってくれる。
謝られるのは心苦しいが、笑顔で返した。
守護者たちは強い。
だから負けない。
その大きな信頼が、露李の心を温かくした。


