「鈍感め。そんなんでお前、よく生きてこられたな」 「何よ生きてこれるわよ」 「…ま。実質兄貴だもんな、難しいよなぁ」 「何なの。理津語って難しい」 「あぁ?俺語じゃねぇよ、一般論だ。なあ疾風」 理津が呆れて見ると、ああ、と疾風も頷く。 ……分からない。 「まあ、分かれって方が難しいがな」 疾風がそう言ってくれるが、あまり分からないまま、屋敷についた。