にこにこと和やかな雰囲気で歩いていると、理津と静が息を切らして走ってきた。


「あー!やっぱりもう終わったみたいな雰囲気ですよぉ!」


忘れられてますっ、と頬を膨らませる美少年に、思わず露李の口元が緩む。


「くっそ、この敷地広いんだよふざけんな!」


相変わらず理津は口が悪く、文月がまぁまぁととりなす。


「やりましたね!露李先輩!」


「うん!ありがとう静くん、助かったよー」


「いえっ、これが僕の役目ですから!」


静は、ちょっと仲間外れにされた気分ですけど、と言ってから笑った。


「何だよ静、お前が一番早く早くってうるさかったじゃねぇか」


「もう良いんです~!」


わいわいと楽しそうな理津と静を見て、またくすりと笑う。

この二人、案外相性が良いのかもしれない。


「さっ、帰りましょう帰りましょう。海松ちゃんが待ってますよ」



露李の呼び掛けに、各々が返事をかえすのだった。