自分の中に、黒が入ってくる。


「【浄化】」


露李の中に入る黒の中から、いくつもの白い光の球が現れた。

その光に触れる。


光が弾け、そこにくちなしと桜の花が舞う。



花が風に吹かれていく。




遥か彼方まで。






その花びらが消えていくまで、露李は空を見上げていた。