少し闇を進むと、開けた場所に出た。
蔵とは言えど神社に伝わる宝具が仕舞われている場所だ。
だだっ広いそこは綺麗に整えられ、また一つ奥に仕切られた部屋があるようだった。
「よく来たね、露李。大丈夫?」
ガラガラと戸が開き、中から出てきた水無月が優しく露李の手をとった。
「兄様…すごい気だよ、ここ」
理津にもたれかかる露李を見て、水無月が首を傾げる。
「…?おかしいな、露李ならこれくらい大丈夫なはずだよ。少し弱ってるのかな」
恐ろしいほどの美貌を曇らせ、心配そうに露李の頭を撫でる。
「どうしようか。今日はやめておく?」
「いえ。話さなきゃ、朱音さんと」
「そっか。何かあれば俺も秋雨くんもいるけど…頼んだぞ」
最後の言葉は守護者たちに向けられたものだろう、結たちが大きく頷いて応える。
「よし。じゃあ行くよ露李」
また一つ、朱音に近づく戸が開いた。
「露李姫が来たぞ。朱音」
奥の方から秋雨の声が聞こえた。
「姫様」
宵菊と睡蓮が跪き、露李を苦笑させた。
奥を見て──一瞬、言葉を失う。
「なんっ……なんで!」
部屋の奥にあるのは間違いなく、鉄格子だった。


