もう一枚あった扉を抜けると、とてつもない強さの気が押し寄せた。
「うっ」
病み上がりであまり耐性のない露李が呻く。
「…言ったじゃねぇか」
左側から理津が露李を痛くないように引き寄せ、彼女を抱いていない方の手を空中に翳した。
紫の火がふわふわと浮かび、露李の周りの気を退けていく。
「ごめん…ありがと」
ふてくされた表情ながらも、理津はほっと安堵の息を吐いた。
露李に何かあってはいけないとどうしようもなく敏感になってしまう。
「行けるか?進むぞ」
前を歩く二人が気遣わしげな面持ちで待ってくれていた。
理津は文月と結に大丈夫だと目配せし、疾風が露李の足元を気遣いながら歩を進めた。


