【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく

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 蔵の扉を前に、露李はじっと中を見透かすように見つめた。

当然中は見えないのだが、何か強大な力が渦巻いているのを感じた。


「……ねえ。昼間、こんなに強い気感じたっけ」


鋭い眼差しで守護者たちを見やると、文月が首を振った。


「夕方になると朱音さんが力を増すからだと思うよ。“神”でしょ、あの人も」


──神って、何?


疑問が消えない。


「露李、良いか?」


結に尋ねられ、慌てて頷く。


「よし──開けるぞ」


露李は結の変わらない笑顔に少し安心して、笑い返した。
大丈夫だ。

私には皆がいる。


大きく息を吸う。


「大丈夫か」


右で控える疾風が横目で露李を見ながら身構える。

露李の脇を固めるのは同級生組、前は先輩組で後ろは静だ。


「大丈夫。疾風寒くない?」


「寒い。けど、動けるぞ」


「ったりまえだ。ふざけんな」


「理ー津ー?口が悪い!」


「緊張感はねぇのかよ」


実は一番真面目かもしれない理津。

くすりと笑って、軋みながら開く扉を見つめる。


中が見えた、と思った途端に何段階もの結界が見えた。

水無月たちが張ったものだろう。


結が手を翳して気の渦を創り、そっと中心の紋に触れる。


「破るんじゃないんですか?」


「俺もこれ張るの手伝ったからなー。血ぃ入れてるからすぐ入れんだ」


事も無げにそう言って、ぐっと紋に渦を近づける。

ぱきんと小さく音が鳴り、結界が溶けるように消えた。


一行が中に入ると、パズルのような結界が幾重にも再構築された。