【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく

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 時間というのは矢のように過ぎていくもので、守護者たちと交代で話したり海松たちと勉強をしたりしているうちに、夕方になってしまった。


露李は自室に戻り、目を閉じた。

外に静の気配を感じながら、小さく溜め息をつく。

かなり前に学校の図書館で見つけた金色の本。

書庫にあった対になる本。


朱音の思惑通り事が進んだ今では、それらからもう声はしないのではないのだろうか。


結局、自分は操り人形でしかなかったのだろうか。


世界を塗り替える前は、確かに朱音からの愛を感じたと思ったのに、今では何もかもが信じられない。

露李の悪い癖だ。


もうすぐ、朱音に会う。

自分が望んだことではあるが、少し怖い。

だが話を聞くことが先決だ。


───神とは、何なのだろうか。


「露李先輩?」


静の気遣わしげな声が露李を呼んだ。


「大丈夫ですか?」


「大丈夫だよ。今行くね」


「あの、無理しないでください。まだ時間はありますから。僕が見張ってますから、安心して眠ってください」


優しい静の声が耳に心地よい。

露李は笑って立ち上がり、襖を開けた。

慌てた静の顔にまた笑う。


「何して…先輩は寝てなきゃ」


「だってこの腕じゃあんまり出来ることもないし。勉強ばっかりなのもしんどいじゃない?静くんが話し相手になってくれると嬉しいな」


「でも、辛くないんですか?」


「私それじゃあ寝てばっかりになっちゃうよ」


このところ警戒してピリピリしっぱなしの静は渋々といった表情で、露李の部屋に入る。


「失礼します」


「どうぞどうぞー」


静ときちんと話すのは久しぶりだった。