しばらくしたとき。
水無月と秋雨の肩がピクリと跳ね上がった。
「…あら、どうしたの?」
「露李姫の気が揺らいだ。…何かあったのだろうか」
「だったら守護者の奴等が動いてんだろ、にしてはこの静けさはおかしいぜ」
「そうね、特に暗い波動は感じないわ。一度染まった者になら分かるでしょうけれど」
「残念だがら俺も秋雨もババアの術にはかかってないんだよ」
相変わらずの水無月に宵菊はまた苦笑。
睡蓮が笑って外に様子を見に行く。
水無月は薬草をちぎる手を止めない。
秋雨は意外そうに水無月を見つめた。
「なに?」
「…行かないのか?」
いつもなら血相を変えて出ていく所だ。
水無月は秋雨を少しだけ睨み、溜め息をついた。
「少し揺らぎが収まったし。それにこれが罠だったらどうすんの?秋雨くんも大概平和ボケしてるよね、その女なら何でも出来そうなもんでしょ。警備を手薄にすることくらいできんじゃない?」
つくづく抜かりがない兄代わりだった。


